45歳を過ぎたある日の朝、洗面所の合わせ鏡で自分の後ろ姿を見た瞬間、私は自分の目を疑いました。そこには、これまで意識したことのなかった自分のつむじが、想像以上に白く広がっている現実が映し出されていたからです。以前は髪を束ねれば気にならなかったはずのボリュームが、いつの間にか失われ、分け目から覗く地肌がまるで道のようにはっきりと見えていました。その日から私の、頭頂部の薄毛という目に見えない悩みとの闘いが始まりました。最初はショックで、外出するたびに後ろに立つ人の視線が気になり、エレベーターやエスカレーターに乗るのが苦痛で仕方がありませんでした。しかし、ただ嘆いていても髪は戻ってこないと思い直し、私は自分の生活を根本から見直すことに決めました。まず最初に取り組んだのは、毎日のシャンプー習慣の改善です。それまでは安価な製品を適当に使っていましたが、頭皮の潤いを守るアミノ酸系の洗浄成分を配合したシャンプーに切り替え、38度程度のぬるま湯で丁寧に洗うようにしました。また、洗髪後のドライヤーも、地肌を乾かすことを意識して、熱風を1箇所に当てすぎないように気をつけました。次に着手したのは食事です。それまでは忙しさにかまけてパンや麺類で済ませることが多かったのですが、納豆や豆腐などの大豆製品、鶏肉、赤身の魚といったタンパク質を意識的に摂取するようにしました。さらに、夜更かしを止めて23時にはベッドに入るようにし、1日7時間の睡眠を確保することを最優先事項としました。驚いたことに、生活を変えてから2ヶ月ほどで、まず頭皮のベタつきや痒みが消え、髪に自然な立ち上がりが戻ってきたのを感じました。半年が経過した今、つむじ周りの地肌の露出は完全には消えていませんが、1本1本の髪がしっかりとした太さを取り戻したおかげで、以前のような悲壮感はなくなりました。美容室でも「最近、髪の質が変わりましたね」と褒められ、自分の努力が間違っていなかったことを確信しました。薄毛という悩みは、自分の老化を突きつけられるようで辛いものですが、それは同時に自分の身体の声を聞く機会でもあったのだと今は思えます。これからも、鏡の中の自分と正直に向き合いながら、自分を労わるケアを楽しみながら続けていくつもりです。
鏡の前で気づいたつむじの広がりと私の対策