くせ毛の悩みを解消し、まとまりのある美しいストレートヘアを叶えてくれる縮毛矯正。しかしその一方で、「縮毛矯正を続けると薄毛になるのではないか」という不安の声を耳にすることも少なくありません。この疑問を正しく理解するためには、縮毛矯正が髪と頭皮にどのような影響を与えるのか、そのメカニズムを知ることが大切です。まず結論から言うと、縮毛矯正がAGA(男性型脱毛症)やびまん性脱毛症といった、毛根の機能自体に働きかけて髪を生えなくさせる「脱毛症」の直接的な原因になることは、医学的には考えにくいとされています。しかし、縮毛矯正の施術過程が、結果的に「薄毛に見える」「抜け毛や切れ毛が増える」といった状況を引き起こす可能性は十分にあります。その主な要因は三つ考えられます。一つ目は、薬剤による頭皮への刺激です。縮毛矯正に使われる1剤(還元剤)はアルカリ性のものが多く、これが頭皮に付着すると刺激となり、炎症やかぶれを引き起こすことがあります。頭皮環境の悪化は、健康な髪の成長を妨げる一因となり得ます。二つ目は、薬剤と熱による髪へのダメージです。縮毛矯正は、薬剤で髪の内部の結合を切断し、高温のヘアアイロンで真っ直ぐに伸ばした後に、別の薬剤で再結合させるという、髪にとっては非常にハードな施術です。この過程で髪のタンパク質が変性し、髪が細くなったり、強度が低下したりします。その結果、少しの刺激でも切れやすくなる「切れ毛」が増え、全体的な毛量が減ったように感じられるのです。三つ目は、物理的なボリュームダウンです。くせ毛は、髪一本一本が波打つことで髪同士の間に空間が生まれ、自然なボリュームを生み出しています。縮毛矯正によって髪が根元から真っ直ぐになることで、その空間が失われ、髪が頭皮に張り付くようにぺたっとした仕上がりになります。これが、もともとの毛量が変わっていなくても、地肌が透けて見えやすくなり、「薄毛になった」と感じる最大の理由です。これらの仕組みを理解し、信頼できる美容師と相談しながら、自分の髪と頭皮の状態に合った施術を選択することが重要です。
縮毛矯正で髪が薄くなるは本当か?その仕組みを解説